【書評】「やりがいのある仕事」という幻想

Pocket

うつ病休職909日目です。最近、職業訓練校に通い始めましたので、仕事・就職について毎日のように考えております。もともと転職経験が豊富な私と妻は、口癖のように「次の仕事、何しようかな~」「何が向いていると思う~?」と会話しています。サラリーマン失格な性格の夫婦でございます。

私は仕事ができない発達障害の当事者ですが、基本的に仕事には前向きに休まずにがんばる人間なのです。だからこそ、うつ病になってしまったのですが。

妻から「今度、うつ病になったら精神病院に入院してもらうから。もう面倒みれないからね」と脅されておりますので、次の就職では無理せずに頑張らずにボチボチと仕事をしないといけません。つい頑張ってしまう私は、最近になって「ぼちぼちやりましょう」系の本を読んでおります。

「ぼちぼちやりましょう系」の本で、秀逸だったのは【心に折り合いをつけてうまいことやる習慣/中村恒子/すばる舎】です。実に素晴らしい、90歳のおばあちゃん精神科医による書籍で、心を病む人には是非ともオススメの書籍です。このブログでも紹介させていただきました。書評へのリンクはこちらです→リンク1 リンク2 リンク3

職業訓練を受けていると、ついつい「がんばっちゃうモード」に突入してしまいがち。意識して「ぼちぼちやりましょう系」の本を読むようにしています。何冊か図書館で借りてきたのです。

このような経緯から、本日は【「やりがいのある仕事」という幻想/森博嗣/朝日新聞出版】という本を紹介します。「紹介します」と書きながら言うのもなんですが。正直な感想は「読んだけど、どうにもスッキリしない」というのが正直な気持ちです。

正直に書きますと、本書を読む時間があれば、 【心に折り合いをつけてうまいことやる習慣】を再読したほうが、得るものが多いと思います。あるいは、類書の【あ、やりがいとかいらないんで、とりあえず残業代ください。/日野瑛太郎/東洋経済新報社】 を読まれた方が良いです。

ちなみに、本書の著者である森博嗣さんのことは、私は知りませんでした。森さんはミステリー作家であり、工学博士でもあり、なんと250冊も著書があるそうです。印税が【国家公務員の年収の30倍】という高額納税者であり、現在は1日1時間しか執筆をしていないそうです。正直に、すごいなと羨ましいなと思います。仙人のようなお人です。

森博嗣さんは、作家デビューするまで大学の教官をされており、超絶ハードワークを経験されております。しかし現在は、前述のとおり仙人のような生活をされております。「仙人が仕事について書いても、現実感がないだろう」というのが正直な感想でした。読んでいて、所々に得るものはありますし、なるほど感心するところも多々ありました。しかし、どうにも現実的なアドバイスとは思えないのです。「そりゃあ、あんたは作家として成功したから、そのセリフが言えるんだよね」と言いたくなるのです。現実的ではないのです。

あえてブログで紹介したい所といえば、「まえがき」で紹介してある企画書です。出版社の編集者が「著者にこういう内容で書いてもらいたい」とお願いするときに渡す企画書ですね。私がざっくりまとめると、次のような文章です。

【先日「就活自殺」という言葉を知りました。近年、就職活動に失敗して自殺する若者が急増しているというのです。そして森博嗣先生の「人生の目的は、自由の獲得のため」というエッセイを読みました。生きる意義の大半が仕事にあると思い込み、スタート時点で自殺にまで及んでしまうなんて、なんともったいないことでしょうか。もっと広い世界に楽しみを見出しても良いのではないか・・・】

この企画書に対する回答として、本書が執筆されたのです。しかも8日間(1日1時間しか執筆しないから、合計8時間で)というタイトスケジュールで・・・

というわけで、本書の紹介はこれで終わります。繰り返しになりますが、本書を読むのであれば 【心に折り合いをつけてうまいことやる習慣/中村恒子/すばる舎】 をお読みになられた方が、良いと思います!!

この記事へのコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です