続【書評】本当はすごい小学算数

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うつ病休職742日目です。

昨日に続き【本当はすごい小学算数】の書評です。私たち夫婦のように、算数・数学が苦手だった方は、ぜひ本書を一読されることをオススメ致します。

かつての私は「数学とか意味わからん、微分積分とか何に使うの?」と平気で両親に言うよなバカ息子でした。今は「うつ息子」ですが。

子供が「数学を学ぶ意味がわからん」と言い出す前に、本書を一読しておきましょう!きっと、時間の問題ですよ!

◎第2章;知恵で解くか、方程式で解くか?

本章では、和差算・分配算・差集め算・損益算・相当算・消去算・ニュートン算・倍数算・年齢算が登場します。12問の過去問を題材に、主に方程式について小田先生が解説されています。

「和差算・・・」と簡単に列挙しましたが、これらの「~算」こそ、私のように中学受験の経験がない保護者にとって、やっかいなものはありません。

本書では、これら「~算」の本質イメージを、実にわかりやすく教えてくれます。昨日も書きましたが、解説の合間合間の文章こそが、本書の真骨頂でありキラリと光る魅力です。良いなと感じる部分を紹介していきます。

  • 算数・方程式・数学の関係については様々な意見があるが、著者は「中学受験の算数は、方程式をスムーズに使いこなせるようになるための下準備」と考える。
  • 数学が苦手な人は「計算力」が不足している。基礎計算や数式の操作は、無意識でできるぐらい徹底的に反復しよう。
  • 「算数では、方程式を使わずに線分図や面積図でやればよい」という主張もあるが、著者は反対。その理由は、線分図や面積図は方程式を理解するために役立つ道具であり、算数と数学を繋ぐもの。算数と数学を分断する【壁】として扱うことはもったいない。
  • 「比」は方程式の入口。「比」の文章題は、中学入試で頻出。しかし数学の授業では「比」は見かけなくなる。なぜなら、「比」とは「数同士の関係」を表しているもので、中学以降では比は「方程式」へと姿を変えるから。
  • 「比を扱う」ということは「感覚的に未知数を扱う」ということ。中学受験で比の問題が頻出なのは、未知数を扱う感性が育っているかどうか、方程式の学習をスムーズに進めていける基礎ができているか、これを見るため。
  • ニュートン算のように「方程式を立てる力」を問われる問題も多い。方程式を立てるためには「何を記号で置くか」「どういう式をつくるか」が重要であり、とくに後者はトレーニングする必要がある。
  • 方程式の立て方・解き方は自由である。だからこそ上手・下手がある。うまく数値関係を見抜き、最初からシンプルな方程式を立てることができれば正解までたどり着く確率は一気に上がる。
  • 算数の解き方は、方程式で表現することができる。「算数では解けるけど方程式では解きづらい」というのは単に方程式の使い方が下手なだけ。「算数の解き方で知恵が必要」というなら、それは「方程式を使うための知恵」でもあるはず。方程式を使ったからといって、「頭を使わない」ということではない。むしろ方程式をうまく使いこなすためにこそ、思考力が必要になってくる。
  • 平成23年以降の算数の学習指導要領では6年生で「xやyを使った式」が登場する。算数に「xやyを使ってはいけない」という特性はない。
  • 算数と方程式、どちらの解き方が良いのかという論争は不毛である。日本の数学教育において大きな損失。算数の先生が算数を通して方程式を教え、数学の先生がこれまで習ってきた算数の上に方程式を位置づけてあげる。これこそが、数学教育の理想。

◎第3章;未来を切り拓く道具としての関数・数列

本章では、つるかめ算など、11問の過去問を題材に、主に関数・数列について解説されています。

私は微分積分、指数関数など苦手でした。私は高校2年生から不純異性交遊に夢中になり、勉強は放ったらかしでした。大いに反省しております。私のためにあるような第3章です。

  • 自分の中に関数のイメージが出来上がっていないと、微分積分・三次関数・四次関数・指数関数・対数関数・三角関数など「一つ一つがバラバラの、たくさんの難しい内容」にしか見えません。新しい内容が出てくるたびに、「またよくわからないやつがきた」とうんざりするでしょう。しかし関数への根本的な理解の土台ができていれば、中高の数学の学習は、その土台に一つ一つ丁寧においていくだけのものになります。新しい概念をきちんと自分の世界に位置づけられるのであれば「次はどんな種類の関数がでてくるのだろう」とワクワクすることさえできるでしょう。
  • 第2章で、つるかめ算を紹介しなかったことには理由があります。つるかめ算も方程式や面積図で解くことはできますが、それとは別の重要なアイディアが隠されているのです。つるかめ算の発送の奥にあるもの、それは「関数」のイメージです。関数、つまり数値同士の関係を見抜き、さらにそれを利用する、そこまでが上手く盛り込まれた問題こそが、つるかめ算なのです。
  • つるかめ算を解く手順は「具体例を見る」「関数を発見する」「関数を利用する」の3つの段階に分けられます。つるかめ算は無駄に難しいわけではありません。関数を発見し求め利用するという、関数を使いこなす上で重要なエッセンスがシンプルにパッケージングされています。
  • つるかめ算が難しいのは確かに事実です。そして小学生にやらせるべきかどうかは、正直なところ個々人の能力や意欲による、としか言えません。しかし難しい発想に挑戦することは、関数への理解を深め、より広い数学の世界へ進んでいくための一里塚となるはずです。
  • なぜ関数を学習するのでしょう。関数を使うメリットの一つは、「出したい結果」への近道を作り出せるところにあります。一度グラフさえ書けてしまえば、他の値もすぐに求めることができます。
  • 関数はよくブラックボックスに例えられます。「ブラックボックスの中でどういう操作がされるか」ももちろん重要ですが、それよりも大事なことは「どういう入力をするとどういう出力がされるか」ということです。複雑な部分を切り捨て、シンプルな本質だけを抜き取るというのは、まさに数学の真骨頂と言えます。
  • 日常生活を送る上で、出したい結果というのは様々にあるでしょう(お金を稼ぐ・成績を上げる・異性にモテる等)。そしてその結果を出すためにどうすればいいのか、日々考えながら生きているはずです。もちろんこのような漠然とした目標に対する便利な関数は存在しないと思います。しかしだからといって日常生活に関数がまったく存在しないわけではないでしょう。その関数をみ抜くことができれば、それは強力な武器になると思いませんか。
  • 世の中の事象は、複雑に絡み合っています。しかし注目したい二つの値に関数を発見することができれば、たとえブラックボックスの中身が複雑でも、それは問題ではありません。その関数を利用して、「出したい結果」を出すことができるのです(ちなみに、そういった関数を発見したり精度を上げたりするための道具こそが「統計」です)。
  • 関数や数列は、欲しい結果を得るためのプロセスを、計算で求められるようにする、まさに「未来を切り拓く道具」だと言えるでしょう。関数・数列にも様々な種類があります。その中でも基礎的なもの、利用頻度の高いものについて、性質を理解し、技術的な練習を積んで、実際に利用できるようにしていくことこそ、学校数学のカリキュラムの意義の一つなのです。

 

ふう・・・疲れました。頭の中で方程式と関数がグルグル回っています。

・・・まだ第3章か。

まだまだたくさんありますが、すべてを紹介する気力は無いので、この辺でやめておきます。

人工知能・機械学習・データサイエンス・プログラミングなど、すべての基礎は数学です。学生時代にロクに勉強せずに女の尻ばかり追いかけていたことを反省しております。もっと勉強しておけばよかった・・・

それにしても良書です。小田敏弘先生、どうもありがとうございます。

先生の他の著書も、読んでみます!

 

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