【書評】いじめのある世界に生きる君たちへ

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うつ病休職538日目です。今日は、小中学生のお子さんをお持ちの保護者の方に、いじめ対策の本を紹介します。いじめの被害者はもちろん、加害者にならないためにも、保護者が必ず読むべき本だと思います。家庭に一冊、かならず置いてほしい、小学校高学年~中学生のお子さんに読んでもらいたい本です。

特に、発達障害の子供は、空気が読めずにいじめられっ子になりがちです。私自身も、小学校3年生~中学3年生の6年間は、学校の雰囲気になじめず、本当に嫌な思いをしていました。特に、中学校の3年間は地獄だったなあ。

私は現在、私の実家の近くに住んでいます。このままいくと、私の娘たちも、私の母校に進学することになってしまう。私の「中学校は地獄だったなあ、よく自殺しなかったと思うよ」という言葉をきいた妻は、「地元の中学校には入れたくない!中学受験させよう!」と言い出してしまいました。

私も正直、自分の母校に良い記憶がほとんどないので、反論はできないのですが。でも、ちょっぴりさみしい気持ちも、あります。

とにかく、イジメは悲惨です。イジメで自殺でもされた日には、本当に保護者はたまったもんではありません。加害者になったイジメっ子の方も、一生の重荷になることですし。ぜひ本書で、イジメの心理構造を学んでおいてほしいと思います。

【いじめのある世界に生きる君たちへ/中井久夫著/中央公論新社】

サブタイトル「いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉」この通りの内容です。本書は元々、中井先生の【いじめの政治学】(みすず書房から1997年に出版された【アリアドネからの糸】に収録されています)がベースになっています。編集者ふじもりたけし氏が、読みやすく編集されて、本書が生まれています。

以下、ふじもりたけし氏による「あとがき」から抜粋して、ご紹介します。ふじもり氏の熱い想いが伝わります。

  • 【いじめの政治学】を読むか読まないでは、(教育者として)いじめへの対応が全然違ってくる。
  • 本書で描かれる「いじめ」が、実際にいじめぬかれ、追い詰められていく人間が味わう「いじめ」と驚く程の精度で表現されてある。むごたらしい描写がないのに、手に汗がにじんでくる。
  • 中井先生は、「いじめ」を人間奴隷化のプロセスととらえている。「いじめ」は「孤立化・無力化・透明化」という巧妙なプロセスをへて完成される。
  • SNSをともなう、現代の「いじめ」にも通用する内容である。
  • 大人にとって、教育者にとって最も大切なこと、それは子供の命を守ることだ。
  • 「いじめを受けている子供たちに読んでもらいたい」という中井先生の思いから、本書が生まれた。
  • 「いじめ」を受けると、冷静に考える心のゆとりを失う。そのような時に本書を読んで、「自分になされている酷い行為が、どのように酷いことなのか」と知ることができれば、己の尊厳を守り、生き延びる支えになる。
  • いじめられっ子にはなんら罪はなく、犠牲者であると伝えてほしい。いじめられっ子の罪悪感や卑小感、劣等感を軽くしてあげることが大切。
  • 「いじめ」は、監禁や虐待とかわることのない、人間破壊のプロセスである。「やむをえない通過儀礼」、「負けない人間にならないと社会に出て困る」といった、体験的いじめ論に負けてはいけない。
  • 「いじめ」はいけないというスローガンはあまりに無力。「いじめ」のプロセスを知れば、対策の必要性が理解できる。教育者にこそ、本書を読んで欲しい。
  • 子供が発信する「いじめ」SOSを、親がキャッチできることは滅多にない。「太平洋のど真ん中にいる漂流者」と同じレベルである。
  • それでも、子供はSOSを発信してほしい。SOSを受け止めた大人は、全力で子供を守ってほしい。

いかがでしょうか。私自身、中学時代をふりかえると、自殺してもおかしくなかった。30歳になった頃、私の母親に話したのですが、「いじめ」を受けていたことさえ知らず、「そんなに深刻だったの・・・」と絶句していました。

保護者の皆様、ぜひ本書を手に取ってください。大切なお子さんが、自殺してからでは遅すぎます。

 

 

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