【書評】日米不戦論/国防の将来

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うつ病休職305日目です。

先日、GHQによって焚書された本を、図書館で4冊借りたことを書きました。詳細はこちらです。

「図書館でGHQが焚書した書籍を探してみたら・・・」

もう返却の日が来ましたので、慌てて書評を書いている次第です。4冊のうち2冊、インパクトが大きかったのでご紹介させていただきます。2冊とも同じ著者です。

タイトルは、【日米不戦論】と【国防の将来】です。

著者である、河村幹雄氏は九州帝国大学教授です。なんと理学部地質学が専門です。理系の教授が、国防や国際関係を論じるというのは当時でも珍しいことだったそうです。どちらも講演の内容をまとめた書籍です。

【日米不戦論】は、昭和2年(1927年)呉鎮守府における講演です。書籍としては海軍研究社から昭和5年に発行されています。著者が昭和6年に亡くなる直前に出版されたものですね。

一方、【国防の将来】は、大正12年(1923年)に福岡県教育会総会における講演です。著者の10回忌を記念して、教え子たちが出版したものです。

戦後教育の影響が抜け切れていない私が読むと、エキセントリックだなと感じる箇所もありました。しかしそれを差し置いても、現代に通じる名著です。

【日米不戦論】の冒頭を読んで驚愕しました。「日米は既に戦いつつあり」というタイトルで「日米不戦論と題する講演だが、日米が戦をしないという意味ではない。すでに戦は始まっている」という趣旨が書かれています。

この講演が行われたのは、昭和2年ですよ。日米が戦争をする15年ほど前の講演です。戦前の知識人は、明確に世界情勢を把握していたのですね。本当に私はビックリしちゃいました。

私は感銘を受けまして、【日米不戦論】を現代語訳して全文を掲載しようと考えたのです。ところが、すでに実行されている方がいらっしゃいました。ご紹介いたします。バケツリレーさんの、アメブロの記事です。ぜひご覧ください、私も勉強させてもらっています。リンク

さて【国防の将来】です。著者は、国防について2つの要素があると指摘します。ひとつは自然、もうひとつは人間。「自然」とは国土・海洋・気候・農業・資源など。「人間」とは生産能力、交通・運輸・通信・衛生などの製造技術、軍の能力、軍人の技能と精神、国民の奉公心など。

もちろん「自然」よりも「人間」が重要。人間の中でも、心と体があるが、心が一番大切である。強い心がなければ、国防はできないということが書いてあります。

繰り返しますが【国防の将来】は、教員が集う集会においてなされた講演録です。軍人相手ではなく、民間人しかも教員相手にこのような国防に関する講演がなされている。しかも敗戦の20年以上前です。日本が強かったわけですね。敗戦後にGHQが焚書したくなるのもわかる気がします。そりゃあ教育とマスコミを改造したくなるわな。

【日米不戦論】も【国防の将来】も、河村教授が死の間際に講演した内容です。教育の荒廃、軍人・官僚がペーパーテストの序列で出世がきまることへの嘆き等が書かれています。いつの世も大人は「近ごろの若いものは・・・」と言いたいのでしょうね。ふと神風特攻隊を思い出しました。神風特攻隊に出撃した若い学生たちは、まさにこの講演が行われた頃に、生まれた人たちです。教育を嘆いていた河村教授が、特攻隊の若者を知ったら、なんとおっしゃったでしょうか。

さて現在の日本の様子を河村教授風に言うと「中国との戦争はすでに始まっている」だからこそ「知りなさい、学びなさい」。「心の教育が何よりも大切」さもないと「日本は滅びますよ」ということでしょう。

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