続々【書評】うつの8割に薬は無意味

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うつ病休職271日目。3日連続で【うつの8割に薬は無意味】の書評を書きます。著者の井原裕先生は、本書で「私は自宅療養が必要という診断書を書くこと自体がきわめて稀です。そう書く場合には、自殺の危険が差し迫っている、あるいは、すでに自殺未遂を行った場合です」「長くとも1か月に限って休ませます」と書いてあります。休職の延長も1か月単位で考えるとのこと。「休職は長ければ長いほど被害が大きくなる」と書いてあります。

私は、この文章を読んで、考えさせられました。というのも、私の場合(井原先生の病院ではありません)は、2016年12月に「2か月間の自宅療養を要する」という診断書を書かれました。それ以来、ずっと休職したままだからです。本書を読みながら、休職直前の自分の状態を思い返していました。

私の場合は、2015年冬から現在まで、ずっと同じ精神科クリニックに通っています。広汎性発達障害(アスペルガー、ADHD)の診断もされています。そして薬を飲まずに自宅療養でうつ病と戦っています。

ひょっとしたら、休職直前(2016年11月~12月)、私は「やばい領域」にいたのかもしれません。あのまま休職せずに働き続けていたら、自殺していたのかもしれない。。。そう思うとゾッとしました。実際に妻からは「死ぬから仕事やめてほしい」と言われてましたし。

本書は、私のように薬を飲まずにうつ病と戦っている者としては、バイブル的な存在です。大学病院の教授でありながら、業界批判につながることも執筆してあり最大限の敬意を表します。

しかし。著者はブラック企業における、勤務の過酷さ、についてはご存じないのかもしれません。私は自分の勤務先を、ブラックというには心苦しく感じています。やりがいは大いにあるし経営陣も信頼でき尊敬もしています。でもあえて、ここではブラックと書きます。

ブラック企業は、帰りたくても帰れない。休みたくても休めないのです。早く帰れる、休めるというのは「辞めると決めた人」の特権です。これがブラック企業の本質です。企業文化です。雇われているサラリーマンが、どうこうできる状況ではありません。それぐらい働き続けないと、粗利を稼げない、会社が回らないのです。

著者は「うつ病は休まずに働きながら治すべし、毎日7時間の睡眠をとれば改善される」と書いてあります。その7時間の睡眠が、とりたくてもとれないのです。毎日深夜まで働かないのと、ノルマを達成できないし、デザインも納品できないのです。土日も働いていましたし。デザイン会社や広告会社、マスコミや制作会社はこれが普通です。だからこそ、うつ病経験者が多いのでしょう。

たとえ医者から診断書を書いてもらっても、定時で帰るなんて、ありえない。入院するか退職するか休職しないと休めない。そう考えている人もザラにいるでしょう。

この業界でなくても、終電まで働くサラリーマンはザラにいます。官僚だってそうです。休みたくても休めない。。。診断書を書いてもらって、「申し訳ない申し訳ない」と罪悪感を感じながら、やっと休めている。そういう患者だってたくさんいます。著者には、この事実を知ってほしい。

批判めいたことを書きましたが、本書は良書です。Amazonだと★5つです。

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