映画くちびるに歌を/発達障害当事者の感想

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休職214日目です。38歳で診断された、成人の広汎性発達障害の当事者です。アスペルガーとADHDの傾向があるそうです。先日、「くちびるに歌を」というDVDを見ました。

アンジェラ・アキの名曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」をモチーフにした映画。書籍もベストセラーとなっています。

あらすじ等はほかのサイトを見てもらうとして、ここでは、広汎性発達障害の当事者としての感想を書きたいと思います。

映画の主役は、新垣結衣さん演じる美人音楽教師です。故郷の離島の中学校に、臨時音楽教師として赴任し、しぶしぶ合唱部の顧問をするところから映画が始まります。

僕は、2人の生徒に共感しました。サトルと、ナズナです。

ひとりは、下田翔太さん演じる男子部員、サトル。サトルには、自閉症の兄がいます。(正直に言えば、最近の私は、アスペルガーや発達障害、自閉症をキーワードに、映画鑑賞をしています。)

体がちいさく、おとなしく地味で、引っ込み思案なサトル。私の子供時代にそっくりです。サトルは手紙に、「兄が自閉症だったから、僕はこの世に生まれてくることができた。15年後も兄の近くにいたい。」と書いています。

サトルの兄は口癖で「あんたも、おって、良かった」と言います。これはサトルの母の「あなたも、いて、良かった」という言葉(長崎弁)の真似です。

私は最近、自分の生育環境を振り返ることが多いです。実は私は、子供のころ、親にかわいがられていないと感じていました。愛着に障害があったのかもしれません。

私の場合は長男で、父方母方ともに、初の男子の孫だったので、3歳までは、かなりかわいがられたのだろうと思います。しかし3歳になった頃、引っ越しと、弟の誕生と、保育園入園、そして病気がち。一気に変化しました。

起きている時間は、ほとんど毎日が保育園。帰宅してからも、ほとんどの時間、祖父母にあずけられていました。それに加えて、父が厳格に躾をします。3歳から6歳くらいまで、両親との記憶があまり、残っていません。

今思えば、かわいがってもらっていたんでしょうが、10歳くらいまでは「僕なんて、生まれてこないほうがよかったんでしょう」という言葉を、何度か母に言ってた記憶があります。

私は、長男だったので、母から何度も何度も「あとをつげ、実家の近くにいろ」と言われて育ちました。高校生のころ「いい大学に行っても、遠くに行ってしまったら意味がないもんね」この一言で、勉強に対する意欲がなくなった記憶があります。就職活動はおろか、現在に至るまで母の言葉が脳内にこびりついています。このように、「言葉」に敏感に反応するところが、発達障害の影響なのかもしれません。

この映画は、見る人によって共感するポイント、涙するポイントは異なると思います。私の場合、いちばんグッときたのは、主役音楽教師が、ピアノに触ったシーンです。

恒松祐里さん演じる合唱部の部長、ナズナは、父に捨てられた女の子です。ナズナを励ますために、トラウマになっていたピアノに向き合うシーンにグッときました。

いい映画だったので、もう一回みたいなと思っています。サトルの兄、自閉症役をした渡辺大知さんはじめ、生徒たちの家族を演じていた皆さんも素敵でした。自閉症や発達障害の保護者さんには、特におすすめの映画です。もしまだ見ていない人がいたら、ぜひ見てください。

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